石油由来の製品が流通することで営みが豊かになりましたが、その反面として深刻化したのが環境破壊です。
その石油由来の環境悪化の中でも、近年世界中で問題になっているのがプラスチックごみです。
これは石油由来の製品の一つプラスチックが、雨風で風化し粉々になった物が土壌や川や海に流れます。
プラスチックごみは土壌や水中に含まれている汚染物質を吸着する性質があり、それを小動物が食べることで汚染されそれがやがて人間にも影響を与えるとされています。
そのプラスチックごみの代表格と言えるのがビニール袋であり、頑丈で便利なのですが道路上で違法に捨てられます。
プラスチックごみの問題を開所するきっかけとして、その使用頻度を低くするために世界中で注目されているのが日本伝統の織物風呂敷です。
風呂敷は天然繊維の糸を十字に織り込むことで、大きい正方形の織物にしたものです。
風呂と書かれているように、元々はお風呂文化が根付いた江戸時代に庶民が銭湯に入るときの衣服や道具を持っていくときに包むことで運搬していたのです。
ただビニール袋の登場により、風呂敷の需要は低くなります。しかしプラスチックごみの問題が広まる中で、風呂敷を利用する運搬はごみを出さないだけでなく何度でも利用できるのでエコの意識の高まりから世界中で利用者が急増しているのです。
繊維の新しい技術再生繊維とは
風呂敷は十字に織り込むことで衝撃を受け止められる柔軟性があるので、どんなに重いものでも敗れることがないため頑丈です。
そして汚れても家庭用洗濯機で洗浄できるので、常に清潔な状態で使えるのもメリットになります。
近年では若い世代にもより広まってほしいと、製造する企業が美術大学と連携をし若い世代のイマジネーションを取り入れたデザインが施された風呂敷も出回っています。
そんな風呂敷ですが、エコの意識の高まりにより新しい技術を取り入れた製品が誕生しているのです。
その技術というのが、再生繊維を使って織られた風呂敷になります。
ビニール袋のような石油由来の製品の多くは一度使われると燃やされて跡形もなくなることが多いです。
しかし製造する際にも環境に負荷がかかってしまうため、そこで薬品などを使って分解し再利用しようという取り組みになります。
再生繊維の場合はペットボトルを使い、薬品などを使って分解した後に化学繊維として復活させたものです。
ペットボトルが原料なので安価なだけでなく、技術の進歩により耐久性もたかいため重いものにも耐えられます。
飲料水を持ち運べるため世の中に多く出回っており、捨てるのではなく再利用をすることでエコにつながるというわけです。