日本で古くから親しまれてきたアイテムである風呂敷には、リバーシブルで模様を楽しめる両面染めのふろしきがあります。
ふろしきに頻繁に用いられる定番の紋様としては、唐草や青海波、ひょうたん、鮫小紋、麻の葉などが挙げられます。唐草は、泥棒が身につけている絵でお馴染みの柄で、風呂敷に用いられる機会が多い模様です。サメ小紋は、細かなドットを連ねて円弧を描いた紋様です。
鮫小紋の意味するものは、まるで海の生き物である鮫の皮のように見えるということです。なかでも極めて繊細な柄の場合、極鮫と称されることもあります。
シンプルで上品な印象の柄であることから、着物に好んで使われるだけでなく、両面風呂敷にも多用されます。
和柄においては、同じ模様を連ねて描く手法を広く「小紋」と呼んでおり、サメ小紋はその一種にあたります。両面染の風呂敷の場合、表側にサメ小紋の記事、裏側にシンプルな無地の生地を用いたリバーシブル使用の風呂敷が良く見受けられます。
上質感があることから、名入れの風呂敷を作成する際にも選ばれることが多いです。節目の記念品にふろしきを作成して配布する際などにおすすめできる模様と言えるでしょう。
伝統的な両面風呂敷に多い麻の葉模様の特徴
伝統的な和柄としては、麻の葉も忘れてはなりません。麻の葉模様には、文字通り植物の麻の葉を模した絵が描かれています。
麻の葉が無数に連なっているかのように見えることから、「麻の葉繋ぎ」と称されることもあります。麻の葉の紋様は、小さなひし形を無数に連ねて作成されているのが特徴です。幾何学模様のため、伝統的であると同時にモダンな印象も与えることができるところが魅力です。
植物の麻の特性には、まっすぐに伸びるという点や、他の植物と比べて成長が比較的早いという点が挙げられます。そういった性質から、子どもの健やかな成長を祈って産着や子ども用の着物に用いられることが多い傾向が見受けられます。
邪気を払うことができるという言い伝えもあり、平安朝の時代には仏像の装飾にも麻の葉の模様が取り入れられていました。現在も、出産祝いなど子どもの成長を願う贈り物として風呂敷を選ぶ際に、麻の葉の柄が好まれます。
リバーシブルの麻の葉のふろしきを上手に取り入れるには、その日の気分に合わせて表側と裏側のどちらをメインにするかを考えて使ってみると、気軽に楽しみやすくなります。
結び方にアレンジをすれば、さらに風呂敷の楽しみ方の幅が広がるでしょう。現代生活にも馴染むものを探しているなら、エコな素材で作られたエコイスト風呂敷がおすすめです。