シルクの風呂敷には、合繊繊維の風呂敷には見られない光沢があります。
それどころか、他の天然繊維と比べても、自然な輝きを演出しやすいという特徴があるのです。
この特徴は繊維同士が綿密に絡み合う構造と関係があり、
繊維の断面で織りなされる乱反射で実現されています。
断面の形状は三角形で、それがプリズムのような働きをすることがポイントです。
単純にまっすぐ反射するだけではなく、適度に光が分散することで
優しいテイストが生まれます。ツヤにも奥深さが加わって、
見る人に上品な印象を与えるというわけです。
その繊細できめ細やかな光沢は、真珠の輝きに例えられることもよくあります。
物を包むグッズとして利用されるだけでなく、装飾品やインテリアの役割を果たすことも可能です。
洋服や着物とも合わせやすいなど、ファッション性が高いことも、
シルクの風呂敷ならではの特徴といえます。
基本的には年配者に人気がありますが、近年は若者がコーディネートに盛り込むことも増えてきました。
落ち着いた高級感も出しやすいので、フォーマルな場に向かうときに
使われることも珍しくありません。主張しすぎない光沢により、
活用のシーンが広くなっていることも魅力です。
生地の染めやすさがデザイン性をアップ
染色性が高いというシルクの特性ゆえに、風呂敷の配色はバリエーションがとても豊富です。
シルクの主要な成分はタンパク質で、それが染料と簡単に結びつくので
染めやすくなっています。化学物質を使用しなくても、天然由来の染料で
しっかりと色付けすることも容易です。
多数の色を用いた複雑なデザインも、このシルクの特性を利用すれば
スムーズに実現できます。他の生地では色の境界がぼやけがちですが、
コントラストを強調できるので模様の輪郭をクリアにしやすいです。
したがって、風呂敷のデザイン性を重視する人によく選ばれています。
おしゃれな服装で携帯しても変に浮いた状態になるリスクはありません。
美しいインテリアが並んでいる場所にもマッチするため、
壁掛けの絵画にまとわせているケースなども見受けられます。
複数のタイプを織り交ぜることで、カラフルなインテリアとして
立体感を出すような演出も行われています。このような高いデザイン性は、
優れた染色性がもたらすものです。
風呂敷の染め方はいくつか存在し、素材がシルクの場合は
スクリーンを使用するケースも見受けられます。
スクリーンとはデザインを施した版であり、そこに染料を流して
生地に刷る方法となっています。